Crush~いつも君を想う~
「な、長濱さん…!」

彼の登場に、おじさんとおばさんはようやく我に返った。

「ああ、この人が」

千世ちゃんは後ろにいた長濱さんの存在に気づくと、
「どうぞ」
と、中へ入るようにと促してきた。

「お邪魔します」

長濱さんはペコリと一礼すると、中へと足を踏み入れた。

「な、長濱さん、この度は…」

おじさんとおばさんは長濱さんに向かって頭を下げた。

「まさか、娘と姪っ子が入れ替わっていたとは知らなくて…」

そう言っているおばさんの声は震えていた。

長濱さんは千世ちゃんに視線を向けると、
「君が…」
と、言った。

「ええ、私があなたとお見合いをするはずだった河野千世です」

千世ちゃんはペコリと頭を下げた。
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