Crush~いつも君を想う~
よくよく考えてみたら、長濱さんは養子である。

そう考えてみたら、確かに…としか返事ができなかった。

「悪い話じゃない、むしろお互いにとっていい話だと思う。

私は正社員として外で伸び伸びと働くことができるし、一果は長濱さんと一緒にいることができるし…ほら、そう考えたらものすごくいい話じゃない」

千世ちゃんはそう言うと、おじさんとおばさんの方に視線を向けた。

「一果が継げばずっと守ってきた工房はなくならなくて済むし、『ながはま屋』との繋がりも持てるよ?」

おじさんとおばさんに向かってそう言った千世ちゃんに、彼らは顔を見あわせた。

「まあ、そうね…」

「千世の言う通りかも知れない…」

おじさんとおばさんは首を縦に振ってうなずいた。
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