Crush～いつも君を想う～
そうだ、林太郎さんは養子だった。

子供の頃に『ながはま屋』の養子になったと、お見合いの時に聞かされたことを思い出した。

「そのこともあってか、林太郎は私たちに気を遣っているところがあったと言いますか…自分は常にいい子でいなきゃいけないと言う思いが彼の中にあったんじゃないかと思うんです。

嫌われたくない、いい子でいなきゃいけないと言う使命感からか顔だけ常に微笑んでいると言うか…」

「ああ…」

「悪い言い方をするならば、常に人の顔色をうかがっている…と言うところでしょうか。

誰に言われた訳でもないですし、私たちも彼をそんな風に育て訳ではないんです」

確かに、林太郎さんにはそう言うところがあるなと思った。

私とデートをしている時も、常に私にあわせているような気がした。
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