Crush～いつも君を想う～

中華料理店を後にすると、『成田屋』を一緒に出た。

「料理、美味しかったね」

林太郎さんが話しかけてきたので、
「美味しかったね、また機会があったら食べに行こう」

私は言った。

「明日も暑くなりそうだね」

「本当だね、早く秋がこないかな」

「この間、ようやく梅雨明けしたばっかりなのに？」

そう言った林太郎さんと一緒に、私たちは笑いあった。

敬語で話すのをやめただけだと言うのに、お互いの距離がこんなにも近くに感じた。

さっきは強気に出てしまったかも知れないと思って後悔をしていたけれど、思い切って提案をしてみてよかったと今は思った。

「花火大会、楽しみだね」

そう思っていたら、林太郎さんが言った。