Crush~いつも君を想う~
「えっ…ああ、うん、楽しみだね」

私は返事をした。

「林太郎さん」

私は彼の名前を呼ぶと、
「もし林太郎さんがよかったらなんだけど…」
と、話を切り出した。

「また浴衣を選んでくれる?」

そう言った私に、林太郎さんは少し驚いたようだった。

「林太郎さんのお母さんから話を聞いたんだけど…あの浴衣は、林太郎さんが私のために選んでくれたものだって」

「お、お母さんのおしゃべり…」

林太郎さんはそう呟くと、私から目をそらした。

そらしたその顔は真っ赤で、何だかかわいらしかった。

笑いたくなる気持ちをどうにか堪えると、
「ダメかな?」
と、林太郎さんに話しかけた。

林太郎さんはチラリと私に視線を向けた。
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