Crush~いつも君を想う~
花火大会に到着すると、当たり前だけど人がたくさんいた。

「すごい人だな」

「本当だね」

たくさんの人に私と林太郎さんは言った。

「一果さん」

「何?」

「はぐれないでくださいね」

「大丈夫だよ、林太郎さんが手を繋いでくれているから」

繋いでいるその手を林太郎さんに見せると、彼は照れたように笑った。

「一果さん、そんなことを言われたら手を離すのが惜しくなる…」

「それじゃあ、ずっと繋いでいてもいいよ」

「あんまりそう言うことは…」

林太郎さんが言いかけたその時、花火があがった音が聞こえた。

「わあっ…」

「キレイ…」

真っ黒な夜空に咲くように打ちあげられるその花火に、私と林太郎さんは見あげた。
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