Crush～いつも君を想う～

好きな人とこうして浴衣を着て一緒に花火を見ているこのシチュエーションは、日本人に生まれてよかったと心の底から思った。

次から次へと打ちあげられる美しい花火を見ながら、私は思った。

また来年も林太郎さんと一緒に浴衣を着て花火を見ていることができるといいな。

そう思った時、
「一果さん」
と、林太郎さんに名前を呼ばれた。

彼の方に視線を向けると、端正なその顔立ちが目の前にあって心臓がドキッ…と鳴った。

すごく距離が近い…。

林太郎さんがこんなにも近くにいるなんて…。

ドキドキと、早鐘を打っている心臓が林太郎さんに聞こえていないだろうか？

花火の打ちあがる音で、ちゃんと隠してくれているだろうか？