Crush~いつも君を想う~
林太郎さんの端正な顔が近づいてきた。

ーーあっ、これは…。

私はそっと、目を閉じた。

その瞬間、私の唇と彼の唇が重なった。

周りの音も、花火が打ちあがる音も、何も聞こえない…。

この世界にいるのは、私と林太郎さんの2人だけみたいだ…。

林太郎さんの唇が離れたその瞬間、私は目を開けた。

花火に照らされたその顔に、私の心臓がまたドキッ…と鳴った。

「ーー一果さん…」

林太郎さんが私の名前を呼んだ。

「好きです…」

彼のその言葉に、
「ーー私も、林太郎さんが好きです…」
と、私は返事をした。

繋いでいるその手が強くなったのは、私の気のせいだろうか?

「また来年も一緒に花火を見に行こうか?」

そう言った林太郎さんに、
「うん、行こうね」

私は返事をした。
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