Crush~いつも君を想う~
第3章*求婚時代

3-1*同窓会のお知らせ

あんなにも暑かった夏も終わり、季節は秋を迎えた。

世間が3連休のため、私はそれを利用して実家へ帰っていた。

「一果が『桜楽』を継ぐことになったうえに結婚することになるとは思わなかったよ」

ほうじ茶を飲みながら父親が言った。

「まあね」

私は苦笑いをしながら返事をすると、もみじまんじゅうをかじった。

すでに両親は今年の春に起こった、私と千世ちゃんの身代わり騒動を知っている。

「千世ちゃんは一果の代わりに働いているんだって?」

そう聞いてきた父親に、
「うん、毎日が楽しいって言ってるよ」
と、私は答えた。

「その様子だと元気にやってるみたいだね」

そう言った父親に私は笑った。

「そうだ」

父親は思い出したと言うように腰をあげると、どこかへ行った。
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