Crush～いつも君を想う～

そこにいたのは、チャコールグレーのスーツを身に着けた長身の男性だった。

彼の顔を見たその瞬間に、私の中の思い出と重なった。

「牧田くん…？」

私がその名前を呼んだら、
「久しぶり」

彼ーー牧田くんは微笑んだ。

牧田雅朗（ﾏｷﾀﾏｻｱｷ）くんは高校２、３年生の時にクラスメイトだった人だ。

高校２年生の時に牧田くんと一緒に文化祭の実行委員を担当したこともあってか、男子生徒の中では彼が１番親しかったと記憶している。

「着物姿だったし、誰だったか一瞬わからなかったよ」

「そ、そう…」

言ったのは着物だと言うのはわかっているけれど、悪い気はしなかった。

エレベーターがきたので、私と牧田くんはそれに乗って最上階のレストランへと向かった。