Crush~いつも君を想う~
「今、結婚を前提につきあってる人がいるの」

私は言った。

「マジ!?」

「誰!?」

「その話、もっと詳しく聞かせて!」

「どこで知りあったの!?

教えて教えて、本当に教えて!」

芸能レポーターよろしく、彼女たちは私を質問攻めしてきた。

「ちょっ、ちょっと待って…」

彼女たちに圧倒されながら、私は話を始めた。

「呉服屋の若旦那って…」

「何その、ケータイ小説でよくありそうな展開は」

話を終えた彼女たちの目は、とてもキラキラとしていた。

「写真ある?」

そう聞かれたので、巾着袋からスマートフォンを取り出した。

「この人なんだけど…」

画面に表示された林太郎さんの写真に、彼女たちは顔を寄せた。
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