Crush~いつも君を想う~
そう思っていたら、
「一果さん」

聞き覚えのあるその声にかけられたので、私はそちらの方に視線を向けた。

「あっ、林太郎さん…」

そこにいたのは、林太郎さんだった。

「えっ、あっ…」

まさかの林太郎さんとの遭遇にどうすればいいのかわからない。

迎えにきた…訳ないよね、そんな話もしていなければ聞いてもいない。

じゃあ、何でここにいるんだろう?

「いつも贔屓にしている企業の人たちと会っていたんだ」

そう思っていたら、林太郎さんが言った。

「えっ、企業…ああ、そうなんだ…」

そう言った彼に対して、私はそう返事をすることしかできなかった。

よくよく見たら、林太郎さんの格好はいつもの着物ではなくてスーツだった。
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