忘愛症候群



物事そんな都合よく、上手くいってたまるもんですか。



「愛、これで家族皆の分買ってきて」



そう言われ、お母さんから渡されたのは野口秀夫様だった。


自腹じゃないってことですか?マジですか?



「やった!お母さんありがと~」



大好き!とありがたく千円札を受け取って自室に戻って着替えると、鏡に自分の姿を映す。



首元…寂しいかな。


チラリ、視線を移したのはアクセサリーケースに大事に入れてあるネックレス。




“ラッキーアイテムはネックレスだよ”




そっとネックレスに手を伸ばすと首元へともっていき___きらきらと首元を輝かせた。



占いなんて馬鹿馬鹿しいとか思っていたけど、今ラッキーアイテムをつけているあたしが滑稽に見えて仕方ない。



< 5 / 83 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop