忘愛症候群
物事そんな都合よく、上手くいってたまるもんですか。
「愛、これで家族皆の分買ってきて」
そう言われ、お母さんから渡されたのは野口秀夫様だった。
自腹じゃないってことですか?マジですか?
「やった!お母さんありがと~」
大好き!とありがたく千円札を受け取って自室に戻って着替えると、鏡に自分の姿を映す。
首元…寂しいかな。
チラリ、視線を移したのはアクセサリーケースに大事に入れてあるネックレス。
“ラッキーアイテムはネックレスだよ”
そっとネックレスに手を伸ばすと首元へともっていき___きらきらと首元を輝かせた。
占いなんて馬鹿馬鹿しいとか思っていたけど、今ラッキーアイテムをつけているあたしが滑稽に見えて仕方ない。