忘愛症候群
もっともっと伝えたいことがあるの。
「か、ず…ま」
忘れてしまってごめんね。
思い出した、一真のこと…全部思い出したよ。
一真。
一真。
一真。
一真。
“今更思い出しても、もう遅いよ”
何度も一真の名前を呼ぶあたしに降りかかったのは、いつか意識の中で話したことのある“意識の中のあたし”だった。
「___ん…!」
「ぁ…ぃ…ん!」
「わた…べさん__」
「__あいさん!愛さんっ!」
「せ、んせ…」
引き戻された意識、徐々にはっきりとしてきた視界に映ったのはあたしを抱え焦った表情をして見ている先生と看護士さん。
「先生っ…うぅっ、ぁ…」
「愛さん…?」
「あた、し…あたしっ」
「愛さん、もしかして…」
「…全部、思い出しました……っ」
「___…っ」
「…全部思い出しました」と涙を流したまま伝えると何故か先生の顔が強張った。
ゴクリ…と息を飲んだのが分かった。
「先生…?」
あたしは先生がなんでそんな反応をしたのかが分からない。
「あぁ、そうか…一真くん、君は…」
「ねぇ、先生…どうしたんですか?」
「愛さん実は___」
先生が何かを言いかけた時あたしの病室に別の看護師が走って入ってきた。
その顔は緊迫の状況を意味しているような表情。
「先生!緊急の患者です!今すぐ対応お願いします」
「分かった。患者の状況は?」
「損傷が激しく非常に危険な状態との事です。あと2分で到着します」
「今いく。すみません愛さん緊急なのであとでお話します」
「君には残酷な未来が待っているが、それを乗り越えてほしい」先生はそう言葉を足して行ってしまった。
「残酷な未来?」
残酷な未来って何?
今以上に苦しいものが降りかかってくるって言いたいの?
やめてよ、もう嫌だ…これ以上あたしを苦しめないでよッ。
「一真ぁ…会いたいっ___声が聞きたい」
「先生!緊急の患者です!今すぐ対応お願いします」
「分かった。患者の状況は?」
「損傷が激しく非常に危険な状態との事です。あと2分で到着します」
「今いく。すみません愛さん緊急なのであとでお話します」
「君には残酷な未来が待っているが、それを乗り越えてほしい」先生はそう言葉を足して行ってしまった。
「残酷な未来?」
残酷な未来って何?
今以上に苦しいものが降りかかってくるって言いたいの?
やめてよ、もう嫌だ…これ以上あたしを苦しめないでよッ。
「一真ぁ…会いたいっ___声が聞きたい」