忘愛症候群


“愛へ

きっとこの手紙が最後になりそうな気がする。


それは昨日が幸せだったから、これまでにないほどの幸せを感じたから。


幸せすぎて不幸が降りかかるんじゃないかって思うくらい俺は幸せだった。


撮影といえど好きな人のウェディングドレスを見たとき、息を飲むほどっていうか


息をするのを忘れちゃうくらい綺麗すぎて見惚れた。



こんな撮影受けるんじゃなかったな~て思わず思った。


だってあんな綺麗な愛を全国の男の目に晒されるって思ったら失敗したな~て思うよ。


けど、その反面これが俺の自慢の彼女って全国の男に牽制もできるね。


愛は気づいてないだろうけど、愛って学校でも男子の裏じゃマドンナって呼ばれるくらいモテてるんだよ?


俺、本当カッコ悪いくらい嫉妬しちゃってさ、愛を狙ってる男睨んじゃったりとかするわけよ。


愛ってば自分ばっかり好きで俺は愛の好きに劣るって思ってるだろうけどそれは違うから。



俺の方が何倍も好きで。
俺の方が何倍も愛してる。


これからもずっと。




だけどこれから先、愛の傍にずっといてあげることができないんだ。

本当ならずっと傍にいたい。


俺のこと思い出して前みたいに想いあいたいんだけど、それは叶わない。


愛が俺のことを思い出したその時にはきっと俺はこの世にいないだろうから。


ごめんな。


これ読みながら絶対泣いてるよな。


泣かしてるのは俺なのに拭ってやりたい涙は拭ってやれないし、抱きしめてもやれない。


愛が俺を思い出したとき俺が傍にいない理由は先生のところに行って聞いた方がいいから、ここには書かないでおく。


俺から話せなくてごめん。

傍にいてやれなくてごめん。

抱きしめてやれなくてごめん。


頭だって撫でたいし、キスだってしたい。


一生分の好きを言いたい。



俺はもう、傍にはいてやれないけどずっと愛を想い続けて見守ってるやから。



だから…だから絶対俺を追いかけようとするな。

死ぬなんて考えるな。


そんなことしたり、考えたりしたら俺怒るからな!

夜化けて出てきてやるから!



それから、俺のこと忘れないで。

好きな人作ってもいい、結婚だってもちろんしてほしい。

だけど、俺のこと忘れないで。


もう、忘れてほしくないんだ。


俺が愛した事、忘れないで。


愛の中で生き続けさせて。


それが俺の最後の願い。



一真より”


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