忘愛症候群
「せんせー」
6年前に死んだ彼はずの彼がまだ生きてるんじゃ、と錯覚するくらい瓜二つ少年があたしのクラスに、あたしの目の前にいる。
こんなことってあるだろうか。
「俺数馬 理人。よろしくね」
___あぁ、神なんて嫌いだ。
___アンタはどこまであたしを苦しめればいいんだろう。
誰か助けて。
ケン、トモカ、先生…。
一真…あたしを助けて。
「渡辺 愛です。よろしく」
「よろしくね、愛ちゃん」
___…パキン…とあたしの心の“何か”が音をたてた。
【END】