八木澤くんは不器用に想う



猫被り…。



だとしても、本当の姿はどんな人なんだろう?




「東雲くんは、
どんな女がダメなの?」




頬杖をつきながら、莉乃が東雲くんにまっすぐ言い放った。




「……特にどんなっていうのはないかな。
パッと見た時に、直感で決まるっていうか」



「顔が美人で、中身に騙されたりしない?」



「俺、人の匂いでなんとなくどんな生活してるかわかるんだよね。
この人はズボラか綺麗好きか、とか、そういうのわかる。
それがわかると、だいたいの性格もわかるっていうか」



「えっ。匂いでどんな生活してるかわかるの?キモッ」




東雲くんの言葉に、私と莉乃は自分の匂いを嗅いでみる。うん。わかんない。




「でも2人は、話した感じ見た目通りなんだよね」




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