八木澤くんは不器用に想う
「……えっ」
「…花奈実が来ると、学校ではあんまり一緒にいられないから。
だから、休みの日に会えばいいじゃん」
たまにはこっちを優先してくれるとか、ではなく…。
……予想と違うんだけど
いい…のかな?
「あ、美味いラーメン屋があるから、
そこ一緒に行こう」
「……女の子にラーメン勧めるかね…」
「安木だからいいだろ」
それって私のこと女扱いしてないってこと?
いいけどね別に!ラーメン好きだし!
「八木澤くんの奢りだからね」
「はいはい。
寂しい思いさせた詫びな」
ポンポン、と私の頭を撫でる八木澤くんは
なんだかすごく、嬉しそうな顔をしていた。