八木澤くんは不器用に想う
*嘘つき





「……というわけで、
休みの日に会ってくれるって!
2人も一緒にどうでしょう?」



「安木さん、本当にバカなの?」



「本当にバカなのね」




翌日のお昼休み。


八木澤くんが日曜に会ってくれるってことを東雲くんと莉乃に伝えたら、


2人にはぁ〜〜っとデッカいため息を吐かれた。




「怜央が安木さんに、『2人で』出かけるって言ったんだろ?
俺ら誘っちゃダメじゃん」



「でも、2人も八木澤くんと絡めなくて寂しいでしょ?」



「東雲くんはともかく、
あたしは微塵も寂しくないので」



「俺も休みの日に会うほどは寂しくないかな」




…え…そうなの?


せっかく柳さんがいない時間、確保したのに。




「ラーメン食べに…」



「だから、あたしたちはいいって。
八木澤も、初と2人きりのつもりだろうし、
邪魔しちゃ悪いでしょ?」



「でも、寂しかったって言ったら、
八木澤くんラーメン奢ってくれるよ」



「……釣られないわよ!」




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