八木澤くんは不器用に想う
……まぁでも、八木澤くんだし。
学校でも、たまにギリギリの時あるし…
きっと、ちょっと遅れてるだけだ。
すぐ来る…と思う。
「……」
……11時って、お昼食べるには早いしね。
時間調整して、遅刻してるとか?
だったら最初から、集合時間遅らせてくれればいいのに。
………。
ぐるぐると頭の中で言い訳を考えてる間に、
八木澤くんに、何かあったんじゃないかと思い始めて…。
「……」
私から連絡したことないけど、
教えてもらってた番号に、電話をかけた。
「……八木澤くん…」
コール音がしてから、5秒くらいして
プツ、と電話に出る音がした。
『…もしもし、安木?』
「八木澤くん…?」
あれ?
何事も、なさそう?