八木澤くんは不器用に想う



……まぁでも、八木澤くんだし。


学校でも、たまにギリギリの時あるし…



きっと、ちょっと遅れてるだけだ。


すぐ来る…と思う。




「……」




……11時って、お昼食べるには早いしね。



時間調整して、遅刻してるとか?


だったら最初から、集合時間遅らせてくれればいいのに。



………。



ぐるぐると頭の中で言い訳を考えてる間に、


八木澤くんに、何かあったんじゃないかと思い始めて…。




「……」




私から連絡したことないけど、


教えてもらってた番号に、電話をかけた。




「……八木澤くん…」




コール音がしてから、5秒くらいして


プツ、と電話に出る音がした。




『…もしもし、安木?』



「八木澤くん…?」




あれ?


何事も、なさそう?




< 147 / 286 >

この作品をシェア

pagetop