八木澤くんは不器用に想う
東雲くんの、容赦ない言葉に、
ハハッて渇いた笑いが出てきた。
「だよね〜。
うん。そうだと思った」
「……安木さん」
「仕方ないよね。
体調悪い人放って遊ぶとか、そんなの無理…」
「安木さん」
「ひゃ!」
冷たい缶コーヒーを、頬にピタッとくっつけられて、
びっくりして顔を上げたら、東雲くんと視線が交わった。
「無理して笑ってんじゃねーよ」
「……え…」
えっ、東雲くん…ご乱心…!?
なんか、口調が…。
「ちゃんと怜央に、寂しいって言ったんだろ?」
「…い、言いました」
「それなのに約束守んねぇなんて、どう考えても怜央が悪いだろ。
なんで安木さんが無理して笑うんだよ。
もっと怒ればいいだろ」
「……東雲くん…」