八木澤くんは不器用に想う
大丈夫って何度も言ってるけど、
結局いつもこんな感じ。
「帰りは一人だった?」
「ううん、その友達に送ってもらったよ」
「え?
じゃあその子は帰り一人じゃないのか?」
あー…
まぁそうだよね。
八木澤くん、一人だよね。
「気をつけて」って言ったけど、
……大丈夫かなぁ?
「まさか初……
友達って、おと、おと…っ」
「え?なに?」
「その友達って、
男の子じゃないだろうね!?」
「男の子だよ」
それがどうしたの?って首を傾げたら、
お父さんがフラフラとソファーのもとへ歩いて行って、
パタリとそこに倒れた。
「初が…男の子と、アイスデート…」
「アイスデートって何?
ていうか、デートじゃないから」