八木澤くんは不器用に想う
「花奈実」
「……怜央…っ!
これは…違うのっ」
またさっきと同じように、泣き落とししようとする柳さん。
本性がわかってる東雲くんは、呆れたようにため息を吐く。
ただ、八木澤くんはちょっとだけ息を吐いて。
「怜央…っ、あたしは悪くないっ!
信じて…!」
「花奈実。
今日の放課後、お前の家に行ってもいい?」
八木澤くんの口から突然出た言葉に、
私も東雲くんも柳さんも、驚いて目を見開いた。
「……う、うん!来て!
ママに連絡しとくね!」
「……」
……どうして?
なんで、八木澤くんは
いきなり、柳さんの家に行くなんて…。