八木澤くんは不器用に想う



ほぼ新品状態のスウェットと


自分の着替えを持って、脱衣所に戻る。




「八木澤くん、入るよ…」



「ああ」




シャワーの音がして、まだ八木澤くんがお風呂に入ってるのを確認して脱衣所のドアを開けた。




「着替え、バスタオルと一緒に置いとくね」



「あぁ」



「あと…あの、今からここで着替えるから、
ちょっとだけ、出てくるの待って」



「……お、おう」




……さっき、部屋で着替えて来ればよかったかな。



部屋に濡れた服を置くのが嫌で、ここで着替えることにしちゃったけど…なんかドキドキする。



だって…だって…



お風呂の扉を挟んで、


私と八木澤くんは、裸なわけで…。




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