八木澤くんは不器用に想う
今度は八木澤くんの顔を見て言ったら
八木澤くんがあわあわと視線を泳がせて。
ゴク、と喉を鳴らすと、
意を決したように、じっと私を見つめた。
「……俺も、好き。
ずっと、これからも、
安木が思ってる以上に、大好き」
八木澤くんと目があって
あまりの熱っぽさに、私も熱を帯びたみたいで…。
3秒くらい視線が絡まると
それが合図みたいに、徐々に顔が近付いて…。
「ただいまー」
「「!!!?!??!?」」
玄関の方からガチャ、と扉が開く音と共に、お父さんの声が聞こえて。
バッと勢いよく離れた。
「お、お父さん帰ってきた…!」
「あ、ど、どうしよう…」
「な、なにもないフリすれば大丈夫…!」