八木澤くんは不器用に想う
「初、誰か来て…」
リビングに現れたお父さんが
八木澤くんを見つけた瞬間、かたまった。
「あ、雨に濡れてしまったので、乾燥機などを借りるためにお邪魔させていただいてます…!」
八木澤くん、テンパってる…!
「……あ、あぁ…初の友達だったね」
「あ…えと」
「お父さん!」
お父さんと八木澤くんの会話を遮って、お父さんの前に移動した。
「初、どうしたんだい?」
「あのね、
八木澤くんは、友達じゃないよ」
「え…」
「八木澤くんは、
──私の彼氏!」