八木澤くんは不器用に想う
*
そしてあっという間にデート当日。
前と同じ公園で待ち合わせ。
待ち合わせ時間の10分前に公園に着いたら、
公園にはすでに、八木澤くんが待っていた。
「八木澤くん!」
「やす…き」
八木澤くんが、“彼女”としてって言うから、
普段、制服以外で着ることのないスカートを履いた。
ちょっと可愛い系のワンピース。
一目惚れして買ってたんだけど、着るときがなかったからちょうどいいかなって…。
「……変かな?」
スカートの裾を持って聞いたら、八木澤くんがううんって首を横に振った。
「あ……か、か、」
「……?」
「かわいい…です(小声)」