八木澤くんは不器用に想う



あんなに罪悪感に押し潰されそうになったのは初めてだった。



それからはちゃんと真面目にやったし、


ほっぺツンツンしたりするイタズラも、初はうざがらずに笑ってくれて…。



そんな初に毒気を抜かれて、


いつしか、この子にだけは嫌われたくないって思うようになった。




「東雲くんも、あたしと同じように初のこと好きになったってこと」



「岡部さん、初ちゃんのこと好きなの?」



「好きだよ。
当たり前じゃん」



「……意外。
初ちゃんの片想いかと思ってた」



「はぁ〜?
あたしと初は相思相愛ですー。
本当は八木澤にだって負けたくないんだけど」




けどさっきの、『消しゴムの女神』?



ずっるアイツ。そんな前から初のこと好きだったなんて。




「悔しいなぁ…」




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