八木澤くんは不器用に想う






「はぁ〜〜〜」




高校の入学式までの、春休みの間。



毎日消しゴムを眺めたり、


たまに高校の制服に袖を通してみたり。



特に何かをしてたわけでもなかったけど、


毎日そわそわしてた。




宿題がない春休みって、長期の休みの中で一番好きで一生続けばいいと思ってたのに、



こんなにも長く感じて、早く終われって思ったのは、初めてだった。





< 275 / 286 >

この作品をシェア

pagetop