八木澤くんは不器用に想う
*怜央side
安木といい感じになりそうな話題の途中で、
安木がいきなり叫んで俺に抱きついてきて。
その勢いで、俺も立っていられなくてその場に座り込んだ。
「…ってぇ…。
……安木、どうしたんだよ?」
「ご、ご、」
「……ん?」
「ごき…っ」
安木が泣きそうな声で、ぎゅうっと俺を抱きしめる力を強めた。
……なんすか、この状況。
さっき『脈なし』とか言っといて。期待させることしてくるなよ。
……ずるいよ、お前。