八木澤くんは不器用に想う
「あっ。
急に抱きついてごめんね!
びっくりしたよね!?
ていうか、倒れた時『いてぇ』って言わなかった?
頭とか打ってない!?」
「……」
すげぇマシンガントーク。
心配そうに俺の顔覗き込んでおろおろしてる姿が、ちょー可愛い。
こんな近くで顔見るの、初めてかもしれない。
なんかすげぇいい匂いするし。
「……ちょっと、痛いかも」
「ごめんね…!
痛いの痛いの、飛んでけー!」
安木が俺の頭を撫でる。
子供っぽいその言葉も、全部かわいい。
この子が、俺のものになればいいのにな。