八木澤くんは不器用に想う
どうせ夏休みの課題とかあるし
補習で学校来た時に課題もついでにやればいいと思ってたし。家じゃ全然勉強する気になれないしな。
「えー、海とか行こうよ。
夏祭りとかさ」
「あー、海。
いいねー海」
「初、全然ノリ気じゃないし」
だって海って
すぐ近くにはないし、ちょっと遠出になる。
帰りも遅くなるかもだし、
もし泊まりだとしても、絶対お父さんが心配する。
「遠出はお父さんが心配する」
「あー初パパ過保護だもんね」
「補習行くのも心配されそう…」
そうなったら面倒かも…。
「じゃあ補習免れようよ。
ね、東雲くん」
「え、なんで俺に振る?」
「東雲先生、
初が赤点取らないように勉強教えてあげてください」