八木澤くんは不器用に想う
語尾にハートマークをつけたように言って、東雲くんにニコッと笑う莉乃。
「別にいいけど。
あんまりバカなら置いてくけどね」
「厳しいっすね…」
「安木さんのやる気次第では諦めないでいてあげるけど」
東雲くんから、莉乃と同じようなニッコリと、でも中に黒いものが見え隠れしている笑みが私に向けられた。
「……赤点さえ回避出来れば」
「その程度のやる気なら置いてく」
「…も、目標は70点…!」
「うん、わかった。
じゃあ教えてあげるから、
一緒に問題解こうか」
本当は勉強なんてしたくないけど
東雲くんの笑みが怖すぎて断れなかった…。