八木澤くんは不器用に想う



むっとしながら、東雲くんに聞くのは諦めて一人で問題を解いていたら


横から八木澤くんがトンッてぶつかってきた。




「……なに?」



「……なにって、なにが?」



「……ぶつかってこないでよ、痛いし」



「そんな強くぶつかってないだろ」



「割り込んできた時、私のことすっごい押してきた」



「それは……」



「やな感じ」



「ちが…っ。
安木が、孝弥と近かったから…!」



「教えてもらってるんだもん。
近づいちゃうのはしょうがないじゃん」



「しょうがなくねぇよ!
……お前の、警戒心が薄すぎんだよ」




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