八木澤くんは不器用に想う
「お世辞でも好みとか言われたら嬉しいじゃんか」
「……なら、言ってやろうか?」
「え?」
八木澤くんが、じっと私を見つめる。
そして、ゆっくり私の頬に手を添えて。
「安木はかわいいよ」
伏目がちに、そう呟いた八木澤くんが、すっごく色っぽくて。
話の流れ的に、お世辞なのはわかってるけど…。
八木澤くんのキレイな顔に見つめられながら言われたら、さすがに照れてしまって。
「……って、こんくらい俺にも言える…」
「…〜〜っ!///」
「…えっ…」
「ご、ごめんちょっとトイレ!」
顔が熱くなったので、洗面所で頭冷やそうとリビングを飛び出した。
「……なんだそれ(可愛すぎだろ!!)」