八木澤くんは不器用に想う



顔の熱がひいてからリビングに戻ったら、


八木澤くんが東雲くんの隣で苦い顔をしていた。




「それ違うっつってんだろ」



「お前安木の時と態度違すぎ」



「男に優しくしても楽しくない」




つまらなそうに八木澤くんの顔を見てる東雲くん。


でも私が戻ったのに気付くと、ニコッと笑顔を見せた。




「安木さんおかえり」



「ただいま戻りました…」




私も笑顔を返して、リビングを出る前と同じように八木澤くんの隣に座った。




「……安木」



「…ぅえっ!?」




隣の八木澤くんがいきなり話しかけてくるから、びっくりして変な声出ちゃった。



な、なんだろう。


やっぱりさっきの顔、見られてた?




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