八木澤くんは不器用に想う



消しゴムをペンケースにぽいっと投げ入れる八木澤くん。



メルヘン…きもい。



まぁまぁな暴言を吐いてくる八木澤くんに思わず手が出そうになってしまったけど、


ニコッと笑顔を向けてスルーしてさしあげた。



さてと。


席の移動も終わったし、そろそろ帰ろうかな。




「おい」




カバンを持って教室を出ようとしたら、


八木澤くんに腕を掴まれた。




「なに?」



「…あ、
アイスとか、好きじゃねぇ?」




……あいす?




「アイスとは、
あの冷たい食べ物のこと?」



「それ以外になにがあんだよ」



「だって…いきなり言うから」




違うものなのかと思うじゃん。




< 6 / 286 >

この作品をシェア

pagetop