八木澤くんは不器用に想う
*不器用な誘い
勉強会から2週間。
無事にテストを終え、返ってきたテストを持って東雲くんのもとへ向かった。
東雲くんの席のまわりにはギャルっぽい女の子がたくさんいて、
私の登場に、女の子たちからジロッと睨まれた気がした。
「東雲くん、赤点回避出来ました!」
「え、すごい。70点超えてるのもあるじゃん!」
「東雲くんのおかげだよ。ありがとう」
睨まれてるのが気になって、お礼を言ってすぐに自分の席に戻ろうとしたら、
グイッと腕を引っ張られた。
「じゃあ、なんかご褒美ちょうだい」
「え?」
はっ。そっか。
言葉だけじゃ教えてくれた苦労に見合わないよね!?
「ちょっと待ってて!」