八木澤くんは不器用に想う
自分の席に戻って、カバンを開ける。
お昼にでも莉乃と食べようと思って買ったお菓子を取り出して、また東雲くんのもとへ。
「じゃ○りこ!
チーズ、サラダ、明太チーズもんじゃ味、好きなの選んでいいよ!」
東雲くんの机にぽん、と3つ置いたら、
まわりの女の子たちがクスクスと笑った。
「ウケる。
孝弥に勉強教えてもらったお礼がじゃ○りこって」
「孝弥が望んでるのはそういうのじゃないのにね〜」
……あ。
お菓子程度じゃ、割りに合わないってこと?
「ご、ごめん!
今度東雲くんの好きなものでも…」
奢るよって言おうとしたら、
東雲くんがサラダ味のカップを手に取った。
「これもらうね」