八木澤くんは不器用に想う
テストで点数取れなかった時に『全然勉強してなかったから〜』が言い訳じゃなくてマジのタイプか。
「なんかムカつく〜」
むぅ、と唇を尖らせながら席に座ると、
机にコロン、と何かが置かれた。
「あげる」
「え?」
八木澤くんが私の机に置いたのは、キャンディ。
ピンク色の。たぶんイチゴ味。
「抹茶がよかった?」
「え、なんで抹茶?」
「アイスはイチゴより抹茶が好きなんだろ?
だから抹茶の方がよかったかと思って」
「キャンディはイチゴでいいよ。
本当はオレンジの方が好きだけど」
「……一言余計だな」