八木澤くんは不器用に想う








「赤点回避!やったじゃん初!」



「えっへん。
やれば出来る子なのよ私」



「すぐ調子乗って。
東雲くんのおかげでしょ」



「そっすね」




お昼ご飯を食べた後、チーズ味のじゃ○りこを莉乃と食べながらそんな話をする。



赤点回避できたのは、本当に紛れもなく東雲くんのおかげ。私一人じゃ無理だった。


やっぱりこんな、100円くらいのお菓子一つじゃ、全然お礼にならないよね。




「東雲くん、何あげたら喜ぶかな?」



「えー…東雲くんは…」




莉乃が、また女の子に囲まれてる東雲くんをチラッと見ると、


ふん、と呆れたように鼻を鳴らして。




「どうせ、キスとか言うんじゃない?」



「……キス?」




……魚の?




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