八木澤くんは不器用に想う
待ち合わせ場所で莉乃と2人で話してたら、
横にいた人の肩にトンッとぶつかってしまった。
「あっ…すいません」
「いや、こっちこそ……って、安木?」
「八木澤くん!」
まさか隣にいたなんて。もう着いてるとは思わなかった。
「あれ、2人とももういたんだ?
雰囲気違うから気付かなかったよ」
「なんだ、
東雲くんたちは普通の格好なんだね」
「俺らは浴衣着るって言ってないしねー」
莉乃と東雲くんが話してる隣で、
やっぱり変じゃないかと前髪を触ってそわそわしてしまう。
「……安木」
「え?」
「……前髪切った?」