八木澤くんは不器用に想う
*独占欲
*怜央side
「八木澤くん!りんご飴!」
「うん」
「あっちはわたあめ!」
「うん」
「あ!
射的、やってもいい?」
「いいよ」
はぐれないように俺と手を繋いだまま、安木がはしゃいでる。
『……もうちょっと、2人でいたいんだけど』
『……うん。いいよ』
『え…っ』
……完全に、いい雰囲気になったと思ったんだが。
まるでそんな気なし。
どうやら安木は
孝弥や岡部といたら、『ガキっぽい』とバカにされそうだから、いない間にやりたいことがあったらしい。
そりゃこのはしゃぎよう。あの2人ならバカにするだろうな。