八木澤くんは不器用に想う
「……それにしても、
わたあめとお面とぬいぐるみと…いろいろまわってきたんだね?」
「うん。
これ、八木澤くんがくれたの」
「ふーん…」
ぬいぐるみを東雲くんに見せびらかしてから、
突然、東雲くんが私の頬に手を添えてきて…
「いひゃひゃひゃ…!」
「ずいぶん楽しんだようで」
ニッコリと笑みを浮かべながら、ぎゅっと私の頬をつねった。
私のこと探してたのに、
そんな気も知らないで遊んでたのが気に入らないんですよね!?ごめんなさい!!
「ご、ごめんね東雲くん…!
あ、ほらお礼!なにか、買いますので…!」
「……はぁ。もういいよそれは」
「……あ」
そうだ、莉乃が言ってた。
東雲くんが求めてるのは…“モノ”じゃないんだった。