風に揺られる幾許もない灯
頭だけじゃない

鈍器で体中を殴られたような感覚

覚悟はしていても先生が発した言葉を理解する事が出来ず、色々な感情がぐるぐる渦巻いて絡まっていく。

「……そうですか…もしかしたらって、前から考えていました」

ずっと喉につっかえていた言葉を、振り絞って言った。

「……っ」

「大人にはなれないのかなって、思ってたんです……期待したくなかった、予想より生きられないなんて辛いじゃないですか…っ」

私は思いが溢れて涙が溢れた。

「あと…っ!一年しかないなんて…っ」

首を振りながらどうしようもない現実を前に受け止めきれないでいる私に、先生はただ謝っていた。

その謝罪の言葉さえ、どこか遠くで聞こえているように感じた。
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