素直になりたい。
歩いて移動してお腹を空かせた状態になった頃。
私の目は冴え、マンガだったらキラキラが描かれるくらい強い目力で、その物体を捕らえていた。
「あっ!小籠包!」
「さっきから直禾ちゃん、小籠包しか言ってないね。これから高級中華が食べられるっていうのに、食べたいの?」
「もっちろん!私、食べたことなくて。最初にテレビで見たときから、こんなにも美味しそうな食べ物がまだ私の知らない世界にはあったのかって思って、ずっと食べたかったんだよ!」
なんて無理やりテンションを上げて煽ると、さすがの彼も乗ってきた。
「元ハムだからな」
「今の聞いた?この調子で、私ずっといじめられてたんだよぉ。櫻庭ってやつは本当に最低なやつだったんだから」
この発言に切り込むかと思ったが、まさかの黒柳さんも匠望くんもノーコメント。
もしや、もうバレてる?
たらーっと額から頬にかけて汗が流れた。
「あら、小籠包さんがうるさくしているうちに着きましたよ。さ、行きましょう」
何事もなかったかのように黒柳さんはドアを開け、扇子で仰ぎながら入っていった。
英国女学生が桜柄の扇子を持って中華料理屋に入る...。
この妙の方が笑える。
「じゃ、私達も行きましょう」
「そ、そうだね」
私の計画を知っている2人は、ただならぬ緊張感の中、入店したのだった。
私の目は冴え、マンガだったらキラキラが描かれるくらい強い目力で、その物体を捕らえていた。
「あっ!小籠包!」
「さっきから直禾ちゃん、小籠包しか言ってないね。これから高級中華が食べられるっていうのに、食べたいの?」
「もっちろん!私、食べたことなくて。最初にテレビで見たときから、こんなにも美味しそうな食べ物がまだ私の知らない世界にはあったのかって思って、ずっと食べたかったんだよ!」
なんて無理やりテンションを上げて煽ると、さすがの彼も乗ってきた。
「元ハムだからな」
「今の聞いた?この調子で、私ずっといじめられてたんだよぉ。櫻庭ってやつは本当に最低なやつだったんだから」
この発言に切り込むかと思ったが、まさかの黒柳さんも匠望くんもノーコメント。
もしや、もうバレてる?
たらーっと額から頬にかけて汗が流れた。
「あら、小籠包さんがうるさくしているうちに着きましたよ。さ、行きましょう」
何事もなかったかのように黒柳さんはドアを開け、扇子で仰ぎながら入っていった。
英国女学生が桜柄の扇子を持って中華料理屋に入る...。
この妙の方が笑える。
「じゃ、私達も行きましょう」
「そ、そうだね」
私の計画を知っている2人は、ただならぬ緊張感の中、入店したのだった。