素直になりたい。
「ただいま帰りました~」


午後20時45分。

鷲尾直禾、無事帰還。


「お帰り、直ちゃん。旅行どうだった?」


久しぶりに祐希さんの顔を見て、なんだか涙が出そうになった。

懐かしいし、

なんか、ほっとする。


「まぁ、色々ありましたけど、とりあえず...楽しかったです」

「そっか。それなら良かった」


祐希さんの笑顔もまた涙をそそる。

鼻の奥がつんとして、

目頭が熱を帯びて、

まずいなって咄嗟に判断し、

私はビニール袋をあさり、箱を出した。


「お土産です」

「うわぁ、美味しそう!ワタシ、ミルフィーユだいっすき!ありがとう!」

「あ、あと、これも。店長とお揃いです」


縁結び神社で見つけた恋守りも密かに購入していたので、それもプレゼントした。


「うわぁ、こんな可愛いお守りまで。ほんと、ありがとね」

「いえいえ」


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