素直になりたい。
「山下公園のこと、何も聞いてないんですけど」

「教える理由がないから教えないだけ」

「いや、でも、私があの場をセッティングして...」


私がそういうと、腕にかかる力が強くなった。


「な、何すんの。痛いんだけど」

「もう2度とあの日の話はするな。分かった?」

「わ、分かった」


こっわ。

しかも、離されてもまだじんじん痛むし。

そんな怒ることなの?

普通の感覚で聞いただけじゃん。

なんか、ますます分からなくなった。

櫻庭新大は謎だらけだ。

私はあまりの恐ろしさに2歩後ろを歩いて行ったのだった。

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