素直になりたい。
それを聞いて、私は妙に納得してしまった。

確かにこの人は良く考えれば、そんなに悪いことをしていない。

少し力の使い方を間違ってしまっただけ、

愛の矛先を間違えただけ、だ。

本当は国王に愛されたかったのかもしれない。

本当は国王を1番に愛していたのかもしれない。

なのに、先に逝ってしまったから、

力も愛も

どこに向けていいのか、分からなかったのかもしれない。


「祐希さん、ありがとうございます。なんか、この役との向き合い方、良い方に変わりました」

「ワタシそんなすごいこと言った?」

「はい」

「そう。役に立ったなら、嬉しいけど。じゃあ、引き続き、練習頑張って」

「はい」

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