素直になりたい。
「おはようございます、鷲尾さん」

「あっ、立花さん。おはようございます」

「朝からご苦労様です」

「いえ、とんでもないです」

「頑張って下さい」

「はい」


立花さんは偉いなぁ。

こんなやつにも話しかけてくれるなんて。

さすが生徒会副会長。

後ろ姿まで素敵だ。

まさに出来る女性。

私もあんな風に産まれたかったなぁ。


と、見惚れているとその後ろを歩いていた人が何かを落とした。

ん?

何、あれ?

とりあえず届けないと...。

私は持ち場を離れ、落とし物を拾った。


「えっ、何これ...素敵...」


私が拾ったのは、夜空とそこに散りばめられた星屑をモチーフにしたようなキーホルダーだった。

こんな素敵なものを持っているなんて、

きっと素敵な人に違いない。

私は慌ててその背中を追いかけ、声をかけた。


「あの!」


前を行く彼が立ち止まり、振り返る。


「あっ...」


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